-HARUKA TOMONAGA NON-OFFICIAL FAN CLUB-

  "Hello,world." 友永和樹誕生日記念SS

  "After the world has gone"

  頭の上から太陽光線が容赦なくふりそそぐ。
  褐色の大地には大小さまざまな無数の亀裂が走っている。
  もっとも砂漠以外の大地を歩くのも久しぶりなのだが。
  気象認識クラスタを実行―
  天気:快晴、気温:46℃、湿度:61%
  大気は人間の生存には厳しい状況だと認識。
  湿度が保たれてるのは、未だに残っている永久凍土が溶けるときの水蒸気のおかげだろう。
  隣に視線を向ける。
  長旅の中でも彼女の腰まで伸びた長い銀髪は陽の光を浴び、輝きを振りまく。
  前を見据える表情に曇りは見られず、眼は穏やかさをたたえながらも意思の強さを感じる。
  体型には些かの変化もなく、歩く姿も背筋が通って凛としている。
  ロボットである以上当たり前のことだが、そんな彼女を見ているとこちらも元気付けられる。
  しばらく見つづけてると視線に気づいたのか彼女――友永遥香――は恥ずかしげに下を向いた。
  いつまでも見ていてもしょうがないので僕も前を向くことにする。
  そんな感じでかつてシベリアと呼ばれたこの地を僕と遥香は黙々と歩きつづける。

  数年前、オシリスの策略により地球上の都市や平地が海に沈んだ地球大変動。
  あの災厄後の温暖化はいっこうに衰えを見せることがない。
  日本を脱出後、幾年かの放浪を経て僕らはヒマラヤのふもとに集落を発見した。
  よそ者にもかかわらず温かく迎えてくれた住人に感激した僕らは、お願いをしてそこに身を置かせてもらっていた。
  その集落も気温上昇の末50度を超えた酷暑と周囲の水源の枯渇により潰れてしまった。
  そこに住んでいた人々も極度の熱射病により全員死に絶えた。
  高所のヒマラヤですらこの状態だ。いよいよ世界は人間の手の届かないところへ行こうとしてるのかもしれない。
  全ての遺体を弔ったあと、しばらく呆然としていた僕に遥香が話しかけた。
 『兄さん、北へ行きませんか?』
 『北?』
 『ええ、北です』
 『……分かった、行こう』
  理由は聞かなかった。とにかく動き出したかった。
  このまま立ち止まってるとそのまま動けなくなりそうな気がしたから。

  歩いている間、遥香は僕にいろいろと話し掛けてくれる。
  トカゲやサソリ、ネズミといった砂漠で見かけた動物のこと。
  歩いてる地域の神話や童話。
  そしてときにはヒマラヤでの思い出なども。
  歩きながらなので、考え事をしているときは聞き流してしまうこともある。
  それでも遥香の話を聞くと、とは言っても遥香が話すことは僕のメモリーにすでにあるので、正確には話している遥香の姿を見ると心が幾分軽くなる。
  しかし、最近は急に話を止めたかと思うと僕の方を悲しみを帯びた眼で見つめることがある。
  そしてそういうときは決まって僕に尋ねる。
 「兄さん、大丈夫ですか?」
  僕は一瞬答えに詰まったあと、いつも同じ言葉を出す。
 「大丈夫だよ、遥香」
  だが、このときになぜか無機知能の処理速度の低下を認める。
  義体の機能制御に異常は認められないのだが……
 「……」
  しばらく無言で僕を見つめると、彼女はそれ以上なにも言わず再び歩き出す。
  僕もそれに釣られるように足を進める。
  僕らはシベリアで立ち止まることなくウラル山脈を超え、いよいよヨーロッパに差し掛かろうとしていた。

  山岳地帯を抜け、ようやく開けた場所を見つけた僕らはソーラーパネルの設営を始めた。
  僕らが今使っているオシリス製の義体は燃料電池のほかに非常用として外部から電気を直接取り入れるソケットを装備している。
  ソーラーパネルで発電した電気をそこから取り入れ、体内に蓄えるのだ。
  充分なエネルギーを蓄えるには数日かかるので、その間僕らは待機モードに移行する。
  30分ほどかけて設営を終えると僕らは隣り合って体を横たえた。
  いつもは活動停止前に遥香と体を交えるのだが、今回は山脈越えの強行軍でエネルギーが尽きかけていたのでそのまま待機モードに入った。

 『あ〜面白かった』
 『私は怖かったよ〜  ぜんぜん動物なんで出てこなかったじゃない!』
 『出てきたじゃん。ちょっと怖かったけど』
 『あんな人を襲うエイリアンなんて見たくないよ〜  かわいい動物映画なんて嘘ついて、かおるんのばか〜』
 『かおるん言うな!』
  またか…
  近頃、待機モードでも無機頭脳が突然活性化して勝手に映像を見せてくる。
  僕はロボットなので人間のように夢を見ることはない。
  これは保存された記憶の一部を再生しているにすぎない。
  だが、再生される記憶は決まってあの楽しかった学園生活のものだ。
  映像が再生されるようになった原因はわからないが、僕自身この映像を楽しみにしている部分もあるのであまり気にしないようにしている。
  今再生されているのは、放課後に薫さんに映画に誘われて僕と奈都美さんの3人で見終わったあとの光景だ。
 『あのヒロインかっこよかったよねえ。一人だけ生き残ってさらにエイリアンを全部やっつけちゃうなんて、私尊敬しちゃう!』
 『まあ奈都美にゃ絶対に無理だね』
 『むく〜  そんなことないもん!』
 『それじゃあ、今目の前にエイリアンが現れたらどうする?』
 『ええっ!  こ、怖いから逃げる〜』
 『ほらね。やっぱ無理じゃん』
 『いいもん。和樹君が守ってくれるもん。ねー和樹君』
 『うん』
 『へぇー、そうなんだ〜  そしたらあたしも守ってね、和樹』
 『う、うん』
 『ねえ、薫ちゃん』
 『なに?』
 『あのヒロイン、エイリアンをやっつけたあとどうしたんだろう?』
 『映画が終わった後のことなんか、あたしには分からないよ』
 『でもでも〜  宇宙船で一人ぼっちなんだよ、私だったらさみしくて耐えられないよ〜』
 『あたしだったら助かっただけでもラッキーだと思うけど』
 『うーん、そうなのかなあ。ねえ、和樹君はどう思う?』
 『僕は…』

 「……さん、起きてください、兄さん!」
 「ん……」
  ……身体認識クラスタが声音と微かな振動を感知。
  待機モードから通常モードへ移行。
  各システム、インターフェイスチェック。
  情報補助解析クラスタの一群に若干の効率低下を確認するが行動に大きな支障はないと判断、起動。
  視覚が作動すると、目の前に心配そうに僕を覗きこむ遥香の顔があった。
 「やはり体の調子がおかしいのではないですか?」
  言われてみると、無機知能の処理速度が心持ち下がっていることに気づく。
  これが人間でいう 『寝ぼけている』状態なのだろうか?
  ありえないことを考えながら返事をする。
 「いや、モード移行にわずかなラグはあるが、義体や無機頭脳に深刻な異常はない」
  あの 『夢』がもう少し続けば、なんて僕は考えてたのだろうか?

  そして僕らは北を目指し歩みを進める。
  そういえば今は9月も終わりに近づいている。
  本来ならば秋も真っ只中で木々の葉っぱが紅く色づく時期だ。
  しかし、大変動により夏以外の季節を奪われたこの大地ではそれらは望むべくもない。
  もっとも紅葉を見れたとして、かつての1月足らずの輝かしい日々への哀愁を感じるだけだろうが。
  そこまで深想にふけったところで不意に違和感を感じた。
  今日は歩き始めてから2人とも一言も言葉を発していない。
  右を向くと遥香が何か思い詰めたような表情でうつむいている。
  気になって立ち止まってみると、それにあわせて遥香も歩みを止めた。
 「どうした、遥香?」
 「兄さん……  ううん、ちょっと考え事をしてただけです」
 「でも……」
 「ふふっ、大丈夫ですよ。それよりも早く進まないと間に合わなくなってしまいます」
  強引に話を切り上げると遥香は再び歩き出した。
  仕方なく僕も歩き始める。
  もしかしたらどこかですれ違いが生じ始めてるのかもしれない。
  目的地に着いたら話をする必要がある。
  それにしても 『間に合わない』とはいったいどういう意味なのだろうか?

  結局、その後も会話を交わすことなくスカンジナビア半島の付け根のあたりまで来た。
  ここら辺はかつてフィンランドと呼ばれていた場所である。
  僕はここで今までの代り映えしなかった風景に対して1つの相違点を見出した。
  コケが生えているのだ。
  義体周囲の空気の温度を調べると、足元の温度が頭部のそれより10℃以上低い。
  ここの永久凍土が他の地域より多くの量溶けずに残っていることで地面を冷却し、コケが自生できる状態を生み出してるのだろう。
  そうやって僕が地面に目を向けながら歩いていると、遥香が突然立ち止まり空を仰ぎ見た。
  そして僕の方を振り返ると笑顔で告げた。
 「着きました、兄さん」
 「えっ……」
 「ここが目的地です」
  あたりを見まわすが、荒涼とした大地に特に目立ったものは見当たらない。
  もちろん紅茶の木も生えてない。コケもかつての世界では普通に見られるものだ。
 「ここにいったい何があるんだい?」
 「ないしょです。でも少し早く来すぎたみたいですので一休みしましょうか」
  そう言うと遥香は地面にそのまま仰向けに体を寝かせる。
  立ったままで遥香を見下ろしつづけても仕方ないので、僕も隣に寝っころがった。
 「話したいことあるんだけどいいかな?」
 「私もあります。けれど休息をとってからにしましょう」
 「遥香……!」
  すでに遥香は目を閉じていた。待機モードに移行したのだろう。
  今日の遥香はどこか強引なところが見受けられる。
  しかし急いでどうにかなることではないし、急ぐ必要もない。
  僕もそのまま眠りにつくことにした。


 『しっかりしてください!  大丈夫、必ず助かりますから』
 『兄さん!』
 『遥香、どうだった』
 『ダメです、井戸も涌き水もすべて枯れてます』
 『くっ……!』
  これは集落を熱波が襲ったときの映像か…
  東京での生活以外の記憶が再生されるのは初めてだ。
  このときは集落の人々が急性の熱射病で次々と倒れ、手当ての甲斐もなく亡くなっていった。
  そして、水もついに底をつき、最後の一人も血圧が低下し意識が無くなりかけていた。
 『ありがとう、和樹君。でももういいんだ』
 『しかし……』
 『むしろ長く生き過ぎたのかもしれない。家族はあの災害で先に逝ってしまった。そろそろむこうでいっしょになれという神の思し召しかもしれない』
 『……』
 『それにまだ希望は残っている』  
 『希望?』
 『君たちだよ。君たちが生き残っている限り、人間の未来はまだ終わらない』
 『僕らは……』
  このときは結局、自分たちの正体を最後まで明かさなかった。彼を失望させたくなかったのかもしれない。
 『輪廻転生って知ってるかい?』
 『知識だけなら』
  輪廻転生――人は死後、肉体は滅んでも魂は再生し生まれ変わる。その生死が 『解脱』のない限り永遠に繰り返されるという宗教上の考えのことだ。
 『また君たちと同じ時代に転生したいものだ……』
 『……』
  それっきり彼はまぶたを閉じ、再び開けることはなかった。
  だが、彼の願いはかなえられることはないだろう。
  なぜなら僕はロボットなのだから。

  …待機モードから通常モードへ移行。
  各システム、インターフェイスチェック。
  すべて良好、起動。
  辺りはすっかり暗くなっていた。
  それでも気温は40度はゆうに超えている。
  遥香は先に起きていたようで、立って空を見上げている。
  声をかけようとして上を見ると思わず言葉を飲み込んだ。
  その光景は幻想的で荘厳なものに感じられた。
  空から巨大な光のカーテンが釣り下がって揺らめいている。
  これが 『オーロラ』だという知識はあるが、目の当たりにするとその迫力にただ圧倒されるばかりだ。
  ふと視線を感じて、目を下に向けると遥香が僕を見て微笑んでいる。
 「すっかり見入ってましたね、兄さん」
 「うん……」
  なんとなく照れくさくなってしまった。
 「これが私からのプレゼントです」
 「えっ?」
 「お誕生日おめでとう、兄さん」
 「誕生日……?」
 「今日は10月1日ですよ」
  10月1日……僕が友永和樹としてはじめて起動した日だ。
  誕生日といえばそうなるのかもしれないが、今まで考えたこともなかった。
  その前にあの大変動のあとは、暦を数えることもひさしく忘れていた。
 「そうか…  ありがとう、遥香」
 「ふふ、どういたしまして。兄さんが喜んでくれてなによりです」
  遥香が笑っている。きっと僕の表情も緩んでいるのだろう。

  ここで遥香に話があるのを思い出した。
  こんなときに話すのもどうかと思ったが、これ以上引き伸ばしても仕方ないので切り出すことにした。
 「遥香、昼に話そうとしたことなんだけど……」
 「ああ、そのことですか」
  とたんに遥香の表情が暗くなる。
  そのことに罪悪感を覚えながら話を続ける。
 「なんかずっと考え込んでるようだったけど、なんか悩みでもあるの?」
 「悩み……  悩みといえば悩みなのかもしれませんね」
 「よかったら話してくれないかな?」
 「それが兄さんのことでもですか?」
 「えっ!?」
  予想外の答えに言葉が詰まってしまう。
  まさか僕のことで思い詰めてたなんて…
 「そしたら私の方からも質問させてください。兄さんはもう生きていくことに疲れてるんじゃないですか?」
 「なっ……!?」
  一瞬頭が真っ白になった。
 「そんなわけないだろ!  僕は遥香と生きていくと決めたんだ」
 「つまり私が足かせになってるということですか?」
 「そういう意味じゃない!  第一、2人だけで生きていくのは東京を旅立つときに覚悟していたことだ!」
  おかしい、今の遥香はいつもなら言わないようなことをしゃべっている。
 「なら、どうして待機モード時にかつての思い出を再生するようになったのですか?」
 「!!」
  まさか知られているとは思わなかった。
  遥香は今まで、電覚で僕の無機頭脳に無許可で侵入するようなことはしなかったから。
  僕もそんなことはないだろうと思い、プロテクトもかけてなかった。
 「無断で覗いたのは謝ります。でも、それならどうして私に相談してくれなかったんですか!」
 「それは……」
 「歩いてるときも兄さんはどこかつらそうでした。なのに返ってくるのは 『大丈夫だよ』という言葉だけ……」
 「それについては申し訳ないと思ってる。でも……」
 「私は!!」
  普段の遥香からは想像もできない、喉の奥から絞り出すような声に僕は言葉を失った。
 「私は兄さんがそばにいるだけで、それだけでよかったんです」
  見ると、そこには悲しみをこらえ、両目に涙を溢れさせた1人の少女がいた。
 「でも、やっぱり思い出には勝てません……」
  そこまで言うと、遥香はその場に座り込み、両手で顔を覆って泣き出した。
  本当はそこで声をかけるべきだったのだろう。
  しかし、遥香の言っていたことは大体あたっていた。
  僕は彼女の涙が止まるまで動くことができなかった。
  5分ほど泣いたあと彼女はおもむろに顔を上げ、笑顔で僕に言った。
 「兄さん、ここで終わりにしましょう」
 「なにを?」
  僕は薄々気づいていたが、それでも尋ねずにはいられなかった。
 「もう私には行きたい場所がありません。ここで旅は終わりです」
 「遥香……」
 「そして兄さんにプレゼントを上げることもできました。もう思い残すことはありません」
  遥香は立ちあがり、僕の目の前に立った。
  互いの目を見つめる。
 「どうか、私の最後のわがままを聞いてくれませんか?」
 「……」
 「兄さんと最後まで一緒でありたいんです」
  遥香はここで義体に搭載されている自爆装置を起動するのだろう。
  その爆風は確実に僕を巻き込む。
  死ぬのは怖くなかった。
  だけどこれでいいのかと問いかける自分もいる。
  このままでは東京を飛び立って今まで生きてきた意味がなくなる。
  まだ何かできるのではないか?
  地面を見ながら考える。
  そこでふと目にとまったものがあった。そしてひらめいた。
  できることは、ある。

 「覚悟はいいですか、兄さん」
  遥香が聞いてくる。僕の答えは決まっている。
 「いや」
 「なっ!?」
  絶句する遥香を尻目に僕は続ける。
 「僕にはまだやり残したことがある」
 「なんですか!」
 「まだ遥香にプレゼントのお返しをしてない」
  それを聞いた遥香は呆れ顔で僕に言葉を返す。
 「いまさらなにをくれるというのですか!  こんなになった地球では欲しいものなんて……」
 「世界」
 「は?」
 「僕が作った世界をあげる」
  遥香は今まで見せたことのない顔をしていた。
  口を半開きにして、目は焦点が合っていない。
  その様子がおかしくて僕が思わず笑うと、急に気を取り直して僕に問いかける。
 「どういうことですか?」
 「だから元に戻った世界を……」
 「これからも気温は上がりつづけます。そして大地から植物がなくなり二酸化炭素も増えるでしょう。それなのにどうやって環境を戻すんですか?」
 「だからこれを使うのさ」
  僕は地面からコケをむしりとって遥香に見せた。
 「これは……  でもこのコケも永久凍土がなくなれば……」
 「分かってる。だから使うのは海中に生息するものだ」
 「海中?」
 「海中なら温暖化の影響は地上ほど大きくない。そこで藻類を増やしていけば地上の二酸化炭素を減らすこともできるはすだ」
 「でも時間がかかりますよ」
 「少なくとも数千万年単位になるだろうね。でも目的はできるよ」
 「……」
 「それに奈都美さんたちが転生するための場所もないとね」
  もちろんそれが科学的根拠のまったくないことなのは分かっている。
  それでもそう信じることでやる気がわいてくるのを感じた。

 「兄さん」
 「なに?」
 「私にもお手伝いさせていただけますか?」
 「でもプレゼントをあげる相手に手伝わせるわけには……」
 「2人でやれば効率も2倍ですよ。それに私、けっこう気が短いんです」
 「そうなの?」
 「そうです」
  そこでなぜかおかしくなって、笑いが止まらなくなった。
  遥香もお腹を抱えて笑いをこらえている。でも結局耐えきれずに笑い出した。
  ひとしきり笑うと遥香が僕の腕を引っ張って海へむかい歩き出した。
 「善は急げといいますし、早速始めましょう」
 「うん」
  だんだんと歩く速度が上がり、駆け足に近くなる。
  走りながら遥香が僕を振り返る。そこにはまばゆいばかりの笑顔があった。
 「こういうのを共同作業というのでしょうか?」
 「それはちょっと違うと思う……」
  空ではオーロラが相変わらずはためいていた。

  あとがき

  ここまで読んでくださったみなさん、初めまして。このSSを書かせていただいたrasという者です。

  このSSを読んで、誕生日SSとは思えない展開に不思議に思われてる方もいらっしゃるかもしれません。
  実は今回SSを書こうと思ったのは、和樹の誕生日を祝うことのほかにもう1つ動機があったからです。
  それはR8icUV3Kさん作の” 『ノーストリリア』もしくは 『棺』”というSSを読んで、この作品の前の話が書きたいというものでした。
  ネタばれになるので詳しくは説明しませんが、遥香エンドの遥か未来の話です。
  この作品はエロゲ板、エロゲネギ板SS投稿スレ保存サイトさんの完結作品コーナーか、西の箱庭さんのニトロプラス関連>投稿作品にあります。
  興味のある方はぜひ読んでみてください。他にもR8icUV3Kさんのハイレベルな作品が数点あります。
  そしてR8icUV3Kさん、このSSを書くために作品の設定を利用することを許可して下さったことをこの場を借りて御礼申し上げます。

  また、このSSを精読されて問題点を指摘してくださったクロイユキさん、遥香FCへの掲載を快く許可して下さった氷川なるさん、そしてこのSSを読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます。

  次は遥香の誕生日に 『和樹君のバイト奮闘記(仮)』という連載物をスタートさせる予定です。
  遥香エンド以外のトゥルーエンドのルートでの第3部終了直後で、和樹と遥香が生きているという設定です。ただ和樹は特定のヒロインと結ばれていません。
  遥香の誕生日は他の人が盛大に祝ってくれるだろうから誕生日SSは書きません。

  最後に、このSSへのご意見・ご感想をメールまたはこのサイトの掲示板へぜひお願いします。

  AD 2003.9.30  written by ras

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