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SS裏破露輪

[遥香誕生  〜 『肉はるぽん』は眠れない 〜]

10月17日。
恒例、昼休みぶっちゃけ座談会in空中庭園。
今日のお題は深佳さんの悩み事です。

 「それで親父が研究室を使わせてくれなくなっちゃったんだよ〜・・・」
  力なくうなだれている深佳さんを慰めるため、僕が自然言語会話クラスタを活性化しようとしていると、
 「兄さん。」
  と遥香が車椅子をこぎながら向こうからやってきた。
 「この子がその?」
 「うん・・でも、悪いのはボクなんだけどさ・・・」
  薫さんと深佳さんのこの会話から大体の話の内容がわかってしまったらしく、遥香は顔を伏せてしまう。

 「へ〜、可愛いじゃんか。これ、本当にロボットか〜♪」
 「キャ〜ッ!!!」
 「へ?ご、ごめんなさいっ。」
 「なにロボットに謝ってるのよ。」
  重い雰囲気を屁ともせず、何気なく遥香のスカートをめくろうとした圭介だったが、ロボットにあるまじき遥香の反応にびっくりしたようだ。
 「いや、だってさ、なんだか本当に女の子みたいだぜ・・・・・え?」

  ムク〜!遥香のスカートの前が盛り上がる。

  ほほをうっすら染めて軽く圭介をにらむ遥香。
 「圭介さんって、Hなんですね。」
 「いや、待て待て待てぇ〜!そこにいったいナニを隠している!?」
 「え?何って・・・」
  圭介の指摘に気づき、顔を紅くしてスカートの盛り上がりを隠そうとした遥香だが、
 「スカートめくられて興奮したんだよね。」
  と、優しく声をかけてあげると隠そうとした手を押しのける勢いで

  ムクムク〜ッ!!  ますます前を膨らませた。
  目尻には恥ずかしさで涙さえ浮かべている。

 「そこだよ、そこぉっ!!!」
  スカートの前の膨らみ(というか今や怒張とも言えるほどだが)部分を指差しながら興奮気味の圭介を、深佳さんはさして気にする風もなく、
 「何ってナニに決まってるじゃあ・・・ってそんなこと、女のボクから言わせるなよな〜!」
 「作ったのはおまえだろぉ!」
  思わずツッコむ薫さん。
 「別に変なことじゃないじゃないか。和樹が“女の子”の機能はいらないって言うから、サービスでボディーカスタマイズのバイト用に特注しておいたのを組み込んでみたんだ。どっちにしても体内の冷却水を排出するための器官は必要だからさ。」
 「どんなバイトしてんのよっ!?」
 「え〜、結構ボクのカスタマイズは独創的だからバイトとはいえ人気あるんだよ?
  よく♀ボディーに個人用特注カスタムしてくれっていう注文が来るんだけどさ、まず『付けてくれ』って言う注文がほとんどだもんね。
  ちなみにソレ、この娘の名前にちなんで『肉はるぽん』って命名してみたんだけど。」
 「誰もンなこと聞いとりゃせんわ!」
 「親父ったら遥香のコレ見たら真っ赤になって怒っちゃってさ、『そんなせがれいぢりのバイトは許さ〜ん!!』って、頭古いんだから。」
 「当たり前だよっ!」

 「若ネェには好評だったんだけどなあ。昨夜、っても今日の早朝だけど、初起動した遥香を入念にチェックするって寝室に遥香連れ込んで2時間も・・・何してたの?」
  いきなり話題を振られてびっくりしたのか、真っ赤な顔で口ごもる遥香。
 「え、そ、それは、その・・・・」
 「出てきたとき、足腰ガクガクになりながら『スッゴク良カッタ♪』って若佳菜先生 言ってたね」

  ムクムクムク〜!!!『肉はるぽん』はさらに大きくなる。
  遥香はもう半泣き状態だ。

  ますます手のつけられない『肉はるぽん』に狼狽を隠せず、薫さんが僕に詰め寄る。
 「って、和樹も和樹でコレ、どうにかしようと思わなかったの!立ち会ってたんでしょう!?」
 「何も付いてないよりは何か付いてる方が『価値』のある情報が得られると思ったんだ。」
 「『価値』って、何の?」
 「・・・僕にはわからない。」
 「あ・の・なァ〜っっっ!!!!!」

(バッッッッキャ〜〜ンッ!!!!

 「るあが応反い痛。」
  首が180度回ってしまった僕に構うこともせず、薫さんは遥香に向き直り、
 「あなたもあなたで、こんなものはこうして隠しちゃえば・・・・!」
 「あ、だ、駄目です・・・・っ!」
  薫さんの手が『肉はるぽん』を無理矢理 股の間に押し込もうとした瞬間!

(バンッ!・・・ドビュルッ!!ビュルッ、ビュルッ!

  もはやスカートで隠れる長さギリギリまで怒張っていた『肉はるぽん』は、薫さんの手をはねのけ、スカートを跳ね上げて瞬間 膨らみ、薫さんに白濁液を直撃させた。
  直撃を受け、3メートルほど吹き飛ばされる薫さん。

  ビクビクビクン・・・・ビクッ、ビクッ・・・・
  溜めきっていたものを出し切り、小さくなっていく『肉はるぽん』を
 「う、うう、うううぅぅ・・・・」
  と涙をボロボロ流しながら脱力しきった恍惚の表情で眺める遥香。

 「う〜ん、いったい何の液が出てるんだろ。
  和樹の持ってきた中枢のせいかな?あんなの内蔵した覚えないのにな〜?」
  吹き飛ばされた薫さんを圭介と一緒に助け起こす深佳さんのボヤきに
 「そ、そうだよね。アレとは違うんだから、アレとは・・・ハ、ハハハ、ハハハハハ」
  と、やや虚ろな表情で引きつった笑いを浮かべる薫さんだが
(私は汚れてない、私は汚れてない、私は汚れてない!・・・・)
  と心の中でおまじないをかけているのがわかった。
  が、

 「汚いよ。顔、拭いたら?」(ズバッ)
  深佳さんの何気ない一言。

  ガクゥ〜・・・・
  その一言がトドメとなって、薫さん、空中庭園に散る。

 「お、おい!薫!?   ちょっ、深佳、手伝え!保健室に運ぶから!」
 「う、うん。まったく、とんでもないの造っちゃったな〜・・・」
  まるで他人事のような呟きを残して、深佳さんは圭介と一緒に薫さんを搬送していった。

 「ほら、遥香も涙を拭いて。」
 「兄さんも、首の向きを直した方が・・・」
  ・・・どおりで深佳さんたちと行くつもりが離れてしまうわけだ。(ガキッグキッゴリン!!)
 「私、もう恥ずかしくて、恥ずかしくて・・・どうしたらいいのか。」
 「(コキッ、コキッ)とりあえず、放課後 若佳菜先生にもう一度見てもらおう。
  何か良い方法が見つかるかもしれない」
 「で、でも若佳菜さんとはあまり・・・」
 「あまり、なんだい。」
 「あ・・・」
  ニッコリ微笑んで顔を見つめると、遥香はたちまち視線を失い、恥ずかしそうに目を伏せ納得したようだった。
 「なんでも、ないです・・・」
 「そう、良かった♪
  遥香、わかったらお返事は?」
 「・・・ワン。」
 「いい子だね、遥香♪」
  そう言って遥香の頭をやさしく撫でてやると、
  それだけで遥香の前はまた大きくなってしまうのだった。

(この光景を奈都美さんが見たら
  『和樹君、ちゃんとロボットのしつけが出来てるんだね〜っ♪』
  って言ってくれるだろうか?)
  放課後は奈都美さんのお見舞いに行くことに決めた。

  奈都美さんの見舞いを済ませて帰路に着くと、あたりはすっかり暗くなっていた。
(遥香、大丈夫かな。都さんも一緒にチェックに付き合うっていったら、涙流してずいぶん嫌がって暴れてたけど。)

  部屋の明かりはついているようだった。
(良かった。ちゃんと送り届けてくれたんだ。)

  ガチャ。
(うっ、臭気中に多量のアルコール成分を検知?)

 「あ、兄さん。お知り合いだと言われてこの方達が兄さんの留守中に・・・・ンああっ!」
 「ちょっと、マイクがなに勝手にしゃべってるのよ!レポーターの道はキビシィーッのよ〜っ!
  ・・・あ、和樹君、いらっしゃ〜い♪」
 「ちょっと、ここはあなたの家じゃないでしょう?
  ・・・ほ〜ら、こっちの水は甘いわよ〜♪」
 「ンン、ンフゥ〜ッ!・・・」(コクッ、コクッ

  リビングのドアを開けると、大量の酒瓶やビールの空き缶の山の中で、衣類を半ば剥ぎ取られ、机の上で四肢をそれぞれ机の脚に手錠でつながれた遥香が、
  『肉はるぽん』を佐知美さんにマイク代わりに玩ばれ、純子さんに日本酒を口移しで飲まされていた。

  そんな光景をぼんやりと見ながら、
(こんな人類はとっくに終わっているのかもしれないな・・・)
と僕の中のどこかののクラスタが告げていた。
僕にはわからない。
僕にはわからない。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・

[オ・マ・ケ・♪]

  『オシリス遥香VS裏和樹』

 「遥香!元の遥香に戻ってくれ!」
  手をワキワキさせながら訴える和樹。
 「そ、そんな手の動きで私を惑わそうとしても無駄ですよ、兄さん。」
 「遥香!」(ワキワキ)
 「ム、無駄です!」
 「遥香!返事は!?」
  ワキワキする手をゆっくりと回しながら、目の前の何か(しいて言えば胸のあたりにある頭)を優しく撫でるような手つきを繰り返す和樹。
 「う、うううぅぅ・・・」
 「いい子だね、遥香♪」(ニッコリ)
 「ワンッ♪」

  義体(ハード)からフィードバックされ、ソフトに刷り込まれた調教(条件反射)は、たとえオシリスであろうと完全には排除できないのでした♪
  ここで一句。
『調教は、地球救って 遥香救わず♪』
  お粗末。

[あとがき:SS裏破露輪の蛇足]

どうも全体的にイメージ重視な作品になってしまいました。
読者諸兄が頭の中で悶々とする何かを感じてくれたら、もうあとは私は何も要りません。
ハロワがこんなお話でなくて良かったです。
遥香さまのオンリー・ワン♪になりたいcazでした〜♪

予告!

 「私にとって人間は描く題材ではなくて、描くための画材なのですわ。」
  大財閥の娘でありながら[刺青彫り]の世界に魅せられた令嬢、北条千絵梨。

 「お嬢様にいただいた『風景画』。散らせるものなら散らせてみせなさい!」
  背中に極彩色 豊かな紋々 背負って、帯刀さんが走る!奔る!!ハシル!!!

 「千絵梨さん、とうとう気づいてしまったのね。」
 「葵さん、まさか、あなたが私の・・・・」
 「いいえ。今の私には母親、いえ女王を名乗る資格すらないわ。
  このムチを受け取って、千絵梨さん。
  あなたなら出来る。
  あなたこそ新しい北条家の女王よ!」
  偽りの女王 霧江の手から、千絵梨は北条家を取り戻すことが出来るのか?

 「僕も、絵を描いてみたい。」
 「描け(彫れ)ますわ。和樹さんならきっと私以上に素晴らしい[刺青](え)が。」
  純白の君の肌にウェディングドレスを彫ってあげたい・・・

裏破露輪 次回、[遥香、描かれる青い記憶]]    お楽しみに。

(caz注!:この次回予告はハッタリと勢いです。
             次作は未定です。くれぐれも真に受けないように!)

(以上、SS及びオマケ、あとがき、嘘予告。

というわけでお約束の品でした。
あとはよしなに。

(caz拝  

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